About Us

VISI-ONE Innovation Hubとは？

VISI-ONE Innovation Hubは、視覚に関する”見えない”“見えにくい”を起点に、視覚課題当事者と企業、行政、教育、テクノロジーなど、多様な立場の人たちが出会い、社会の「見え方」を問い直し、変化を共に生み出す“共創の拠点”です。

私たちが大切にしているのは、「誰かが課題を持ち、誰かが解決する」という構図ではなく、すべての人が“問いの当事者”になれるような関係性です。

課題に対してフラットな立場で皆が議論し、「見える」「見えない」に関わらず共に実証・実装・仕組み化を進め、社会に具体的な解決策を届けることを目指しています。

私たちが扱う「視覚課題」とは？

VISI-ONE Innovation Hubが扱う「視覚課題」は、視覚障がいの定義にとどまりません。

たとえば、

・色の区別がつきにくい

・加齢で文字が読みづらくなる

・コンタクトや眼鏡がないと生活が難しい

こうした、“障がい”とは見なされない「見えにくさ」も、日常の中で確かに存在しています。私たちが捉えている「視覚課題」は、こういった、多くの人にとって身近な体験です。

その上で、私たちは、「見えにくさ」があることそのものよりも、その状態が社会の中で障壁や不利益を生んでしまう構造に注目しています。

視覚課題とは、多くの人の個人的な問題であるのと同時に、社会の在り方が問い直されるべきもの。

そう捉えたとき、この問題は、医療や福祉の領域だけでなく、企業、スタートアップ、行政、NPO、大学、メディアなど、あらゆる分野の人が関わることができるテーマで、関わる意味があります。私たちは、あらゆる立場の人と、この課題の解決に向けて取り組んでいきたいと考えています。

VISI-ONE Innovation Hubのルーツ
ブラインドサッカーの考え方

VISI-ONE Innovation Hubは、視覚課題の共創に取り組む場として、インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーション（IBF Foundation）や日本ブラインドサッカー協会、スカイライトコンサルティング株式会社、参天製薬株式会社など、分野の異なる複数のパートナーの連携によって立ち上がりました。

その背景には、ブラインドサッカーというスポーツの実践があります。

私たちは、視覚障がいのある選手と晴眼者のガイド・監督・ゴールキーパーが同じチームで「声と信頼」でつながり合う、「視覚の有無を越えて、立場の違う人々がフラットに協働する」感覚を肌で学びました。

そのあり方は、VISI-ONE Innovation Hubが目指す“共創”の原型であり、

「見え方のちがいを前提としたチームワーク」は、私たちの根幹にある思想です。

VISI-ONE Innovation Hubでは、こうした経験・関係性・ネットワークを活かし、

多様な立場の人が出会い、学び合い、対話からアクションへとつなげる土壌を育てています。

VISI-ONE Innovation Hubの目指す未来

VISI-ONE Innovation Hubは、視覚課題に取り組むため、多様な団体が連携して立ち上げられました。IBF Foundationの国際ネットワーク、日本ブラインドサッカー協会の障がい者スポーツにおける実績、スカイライトコンサルティングのビジネス知見とイノベーション推進力、参天製薬の視覚課題に関する医療領域の専門性、各団体の強みを融合させた取り組みが、このハブの基盤となっています。

これまで私たちは、視覚課題のアクセラレータプログラムやリーダーシップキャンプ、アイデアソンを国内外で展開してきました。ハブの立ち上げは、そうした活動を継続し、さらに多様な立場の人々が、それぞれの強みを活かして参加できる仕組みを作ることを目指しています。特に、当事者が支援の受け手ではなく、“共創の主役”として活動に関われることを重視しています。

具体的には、視覚課題に関わる当事者のコミュニティと支援者のコミュニティが相互につながり、それぞれの視点でプロジェクトを企画・推進することを目指します。この活動を支えるために、事務局ではイベント企画や情報発信を行い、会員の活動を後押ししていきます。最終的には、企業や行政、当事者が立場を超えて視覚課題を語り合い、多様な領域が融合することで、社会全体のあり方をアップデートします。

「見えない」「見えにくい」人が生きづらい社会ではなく、それをきっかけに、社会全体が優しくなる世界――それがVISI-ONE Innovation Hubの描く未来です。